Avocado & Poached Egg on Toast

・・・ アボカドとポーチドエッグのトースト ・・・

トーストの上にスライスしたアボカドを半熟卵を乗せただけの、簡単だけれど美味しくて栄養バランスの良い朝食向けの1品。
. . . と、たびたび朝食レシピをのせておいて矛盾してるのは重々承知ですが、実は私、ここ数年まともに朝食を食べた記憶がありません。なぜならうちの猫がデカすぎるからです。

5年ほど前、近所で子猫が6匹生まれたという情報を得てそのうちの1匹をもらいにいくことにしました。ヘタレ気味な私は、子猫6匹の中から1匹を選ぶということに少々気が引けたので、飼い主さんに「健康なオス猫ください」とだけ伝えて、1匹を玄関まで持ってきてもらいました。
出会った瞬間に「なにこれデカッ。」とは思ったんです。ですが「この子が一番大きいからきっと一番健康。」という飼い主さんの言葉に、「たしかに。兄弟を押しのけて母乳飲みまくったんだろうな。ザ・生命力。」と妙に納得して(今更、”小さくて可愛らしい猫に替えてくれ” とも言えずに)そのデカい子猫を引き取り ”ミカ” と名付けました。
ミカはその後もどんどん成長を続け、今ではちょっとした子ヤギぐらいになったのですが、子猫の頃の習慣が忘れられず毎朝私の顔面でフミフミ運動* をするのです(*前足をグーパーしながらマッサージをするような動作。母猫から母乳をもらうときに両手でおっぱいを押しながら乳腺を刺激して母乳の出を促進させる行為)。
通常、フミフミ運動をする猫の姿は愛らしく、猫好きのあいだでは人気の仕草なのですが、ですがなにしろうちの猫はデカい。そして顔立ちはロシア大統領プーチン似の冷徹なスナイパー系。

毎朝5時ごろ、ものすごい重みと圧迫感に息も絶え絶えになりながらうっすらと目を開けると、私の胸部に乗っかったミカが約5cmの至近距離から鋭い眼光で顔面を凝視。そして両頬に目がけてフミフミ運動開始。化け猫感ハンパないです。
たまにフミフミの足が滑りおちて、喉頭隆起部分を押さえつけられ、呼吸困難に陥ります。ここの部位、たしかヒト科の急所で すよね。ワザとなんでしょうか?
迷惑すぎるので布団をかぶって無視すると、フミフミをさせるまで闘牛のように体当たりで頭突きを繰り返してきます。毎日朝っぱらから、これは一体何の呪いですか?
この構図、ミカも怖いけれど、半起きでスッピンの私の顔も怖い。相乗効果で絵面的に楳図かずおのホラー作品みたいになっています。
そんなわけで、早朝から疲れ切っている私は朝ごはんを食べる気力もなくボーッとしているのですが、フミフミで満足したミカは朝からガツガツ飯喰ってます。ヤツ、まだまだデカくなって私を殺す気です。

ということで、いつの日か、キラキラした朝日の中でうちの子ヤギと一緒に優雅な朝のひとときを過ごしてみたいという願望をこめての朝食ディッシュ。アボカドとポーチドエッグのトースト。朝日に輝く半熟卵のとろとろの黄身をゆっくりと堪能できる日がくることを夢見て。

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— アボカドとポーチドエッグのトースト(2人分)—

卵 2個

酢 大さじ4ぐらい

アボカド 1個

パン 2枚

オリーブオイル 適量

塩 少々

黒こしょう 少々

スモークパプリカパウダー 少々

好みのナッツやシード類 適量

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鍋にたっぷりのお湯(1.5リットル程度)を沸騰させ、酢を入れる。卵を1個ずつカップに割り、鍋のお湯をスプーンでぐるぐるとかき混ぜて渦を作ったところにそっと落とし入れる。

2分30秒茹でたら、ぬるま湯の入ったボールに移して薄皮状の白身の皮を取り除く(これでお酢の匂いが消えます)。

アボカドは縦半分に切り、皮と種を除いて適当にスライスする。

パンをトーストし、アボカドとポーチドエッグを乗せ、上からオリーブオイル、塩、黒こしょう、スモークパプリカパウダーをふりかけ(味付けは好みで調整してください)、好きなナッツやシード類をトッピングして出来上がり。