・・・ ヨークシャー・プディング・・・
少し前にイギリス北部のヨークシャー地方に引っ越してみました。
イギリスで暮らしはじめてからずっと、かれこれ20年以上ロンドンに住んでいたし、そこでの生活が気に入っていたので、他の場所に住むなんて考えたことすらなかったのですが、昨年色々なことがあって日本の家族が不安定な状況が続いており、そうなるともしも何かあったときに、ロンドンで猫と一緒に一人暮らしをしている私は四面楚歌。 ”猫と荷物どうするんだ問題” で立ち行かなくなるので、ヨークシャーの彼氏の家にとりあえずお引越しした次第です。悠遊自的おひとり様生活、まさかの終焉。
ヨークシャーは『神の恵みの土地 (God’s Own Country)』と称され、豊かな自然と美しい風景で知られる素敵なところです。色々あって精神的に疲れていた私は「ああ、こんなところで暮らしたら、さぞかし癒されることだろう」と思い、ロンドンでの生活に後ろ髪を引かれつつも引越しを決めました。
目の前に広がる緑豊かな丘陵、ゆったりと牧草を食べる羊たち、古くて可愛らいしい田舎町、ゆるやかに流れる静かな時間 . . . はい、1週間で飽きました。
薄々は気がついてはいたんです、性質的にパリピ要素のある私がヨークシャーにフィットするわけがないと。癒されるどころか、平穏すぎる環境が逆に超ストレス。スリを警戒しながら道を歩かなくていいなんて、オラオラ感搭載でラッシュの地下鉄に乗り込まなくてもいいなんて . . . 牙を抜かれた虎同然です。都会の喧騒が恋しくて、逆ハイジ状態*(*大都会に馴染めずストレスで夢遊病になるアルプスの少女ハイジとは真逆の状態のこと)。
心が弱っているときに、重大なことを決定するもんじゃないですね。
とはいえ、もう引越してしまったし、とりあえずしばらくはここにいる予定なので、まぁ、うっかりマグロ漁船に乗ってしまったと思って(注:私が新しい環境にまだ適応できていない or 性格的に向いていないというだけで、ヨークシャー自体はめちゃめちゃいいところです)うん、これもせっかくの機会なので、この航海で巨大マグロをガンガン釣り上げ、立派な海の男になれるよう頑張りたいと思います。
ということで、ヨークシャー・プディング。
イギリスの伝統料理で、 ”ロースト・ビーフ” や ”サンデー・ロースト” などの付け合わせに用いられる、フワフワ&モチモチの大きいシュークリームの皮のような料理です。グレイビーソースなどをかけて食べます。私はこれが大好物。イギリス料理の中で一番好きかもしれません。つっても、単なるデカいシュー皮ですけどね。
名前の通り、ヨークシャー発祥の食べ物なんですが、本場ヨークシャーで食べてもどこで食べても味は変わらないです。単なるデカいシュー皮ですからね。
美味しく作るコツは、タネを冷蔵庫でしばらく寝かせることと、オイルを入れた型をあらかじめオーブンで熱々に熱しておくことらしいです。
ローストした野菜やお肉、ソーセージなんかと一緒に、出来立て熱々のヨークシャー・プディングをお皿に乗せて、グレイビーソースをたっぷり回しかけてどうぞ。
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— ヨークシャー・プディング(12個分)—
小麦粉 140g
卵 4個
牛乳 200ml
サラダ油(もしくはラード)大さじ2
塩こしょう ひとつまみ
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小麦粉をボールに入れ、卵を1つずつ割り入れてよく混ぜ合わせる。牛乳を加え、タネがなめらかになるように泡立て器で混ぜ合わせる。ボールにラップをかけて、冷蔵庫で30分以上寝かせる。
オーブンは230度に熱しておく。
12個分のマフィン型にサラダ油を少量ずつ注ぎ、オーブンに入れて10分以上熱して型を熱々にする。
寝かしたタネに塩こしょうを加えて混ぜ合わせる。
熱した型をオーブンから素早く出し、タネを等分に注ぎいれる。なるべく早くオーブンに戻し、約15~20分(途中でオーブンを開けないこと)小麦色にしっかりと膨らんだら出来上がり。
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