Fig, Cream Cheese & Honey Toast

・・・ いちじくとクリームチーズのはちみつトースト・・・

いちじくの季節がやってまいりました。紫色の皮に包まれて密かに咲く隠頭花序。その神秘的なビジュアルに魅せられてついつい買ってしまいます。さすが禁断の果実。

今日のランチは、いちじくとクリームチーズのはちみつトースト。禁断の果実と甘い誘惑はちみつハニー♡の魅惑のコラボです。黒胡椒でピリッとアクセントを追加。

ハニーといえば、その昔、私のことを「ハニー」と呼ぶ男と付き合っていたことがあります。
一番はじめにハニーと呼ばれた時は舞い上がりました。なんてったって、私の中で「ハニー」と言えば、このごろ流行りのお尻の小さな女の子・如月ハニー、またの名を愛の戦士・キューティーハニーでしたからね。目からハニーフラッシュが飛び出そうになりました。
「ハニー」と呼ばれるようになって最初のうちは浮かれていたのですが、そのうちある懸念が私の中で生まれてきました。『この場合、私も彼のことを「ダーリン」と呼ぶべきなのか問題』。ドーーン。

「愛称で呼ばれたらやはり愛称で返すべきなのではないか?」「たまに愛称で呼ばないと冷たい女だと思われるのではないか?」「でもこんな和風全開な顔でダーリンとか言ってたら、ダーリン警察に逮捕されるのではないか?(←そんなものいません)」などなど、当時まだイギリス在住初級者だった私は、初めての「ダーリン」に直面してうろたえておりました。
しかも「ダーリン」という単語には日本人が最も不得意とする ”R” と “L” の文字両方が兼ね備えられており、気合を入れないと上手く発音できません。練習が必要です。

そうこうしているうちにどんどん時間が経ち、機会を逃した「ダーリン」のハードルはますます高くなり、そうして私は、日に日に「ハニー」の重圧に耐えられなくなっていったのです。

「”ハニー” だって。きゃ♡」→「”ハニー” がプレッシャーすぎる」→「名前で呼べや」→「チッ、蜂のゲロ呼ばわりかよ」

人間というのは恐ろしい生き物ですね。自分を正当化するためなら、このようにどんどん思考を変化させていくことが可能なのです。

そのうち彼のほうも何かを察したのか、「ハニー」ではなくて名前で呼んでくるようになり、私が密かに猛特訓していた「ダーリン」の発音を披露する必要もなくなりました。

今じゃもう、なんの感情もなく「ダーリン」とか「スウィーティー」とか、なんならそんなに好きでもない人にまであっさり言えるようになりましたが(←これもどうかと思いますが)、私にもこんな初々しい時期があったんですよね。イギリスに住みはじめたばかりの頃の、はちみつのように甘くて黒胡椒のようにピリッとした思い出です。
あ、今回のレシピとシンクロさせてうまいこと言っちゃいましたね♡
山田くん座布団よろしく。

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— イチジクとクリームチーズのはちみつトースト— 

パン 適量

バター 適量

クリームチーズ 適量

いちじく 適量

はちみつ 適量

黒胡椒 少々

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パンにバターを塗ってトースターで焼く。

クリームチーズを塗り、スライスしたいちじくをのせて、上からはちみつをかける。黒胡椒をふりかけて出来上がり。