・・・ レモンポピーシードケーキ・・・
ポピーシード。けしの実。あんぱんの上に乗っているつぶつぶでお馴染みのやつですね。
このポピーシード、イギリスではパンやケーキ、お料理などによく使われていたりしています。
ポピー(けし)とイギリスは縁が深いようで、ポピー・デー(リメンバランス・デー)なるものも11月にあり、第一次世界大戦の戦没者に追悼の意、募金活動のシンボルとして真っ赤なポピーが使われているので、11月になると至る所にポピーモチーフのものを見かけます。
あとポピーといえばあれです、アヘン戦争(下記、超かいつまんで説明)。
イギリスと中国(当時の清)貿易開始 → イギリス人、中国のお茶や絹が大好き → 中国からたくさん輸入。だけど輸出できるものがないので貿易赤字 → そうだ植民地インドで作らせている麻薬(ポピーから作られるアヘン)を売りつけよう → 中国人廃人化 → 中国政府『アヘン。ダメ。ゼッタイ。』キャンペーン開始 → イギリス逆ギレ → 戦争ふっかけてイギリス勝利 → 香港島ゲット。
私は未だかつてこれほど理不尽で見事な逆ギレを聞いたことがありません。世界史の授業で知った際、そのあまりの極悪非道ぶりに恐れおののき、イギリス国民はきっと全員アウトレイジみたいな感じなんじゃないかと想像していましたが、実際に住んでみるとみんなすごくいい人たちでした。逆ギレもされません(たまにしか)。
野に在るポピーは、ポピーとして、細くて華奢な茎を伸ばして風にそよがれながら綺麗な花を咲かせてただただそこに在るだけなのに、人間の思惑によって戦争の材料になったり、人を癒したり慰めたりダメにしたり、追悼の象徴になったり、あんぱんのシンボルになったりします。大変ですね。
でもたぶん、ポピーだけではなく世の中にある全ての物事はただただそこに在るだけで、それら全てについての意味付けは自分がしているんでしょうね。
ということで、私の思惑によりポピーの種は今日のおやつのケーキとなりました。レモンの爽やかな風味とフワフワしっとりのスポンジにポピーシードの食感がいい感じです。ケーキの上にかかっているレモンとお砂糖のグレーズは写真映えするので今回はたっぷりかけてみましたが、このグレーズ部分かなりのイギリス風味(くどい甘いこてこて)、そして砂糖を過剰に摂りすぎるとキレやすい性格になるらしいので、世界平和のためにもほどほどにおかけになることをお勧めします。
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— レモンポピーシードケーキ(容量1500mlぐらいのケーキ型1個分)—
卵 3個
グラニュー糖 200g
生クリーム 120ml
バター 80g
ポピーシード 大さじ1
レモンの皮(すりおろしたもの)大さじ1
小麦粉 180g
ベーキングパウダー 小さじ1と1/2
塩 ひとつまみ
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– レモンシュガーグレーズの材料 –
粉砂糖 100g
レモン汁 大さじ2
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オーブンは180度に熱しておく。ケーキ型の内側にバターを塗っておく(分量外)。
ボールに卵とグラニュー糖を入れ、電動ミキサーで白っぽくフワフワになるまで混ぜる。生クリームを加え、ミキサーで約2分ほど混ぜる。
小鍋にバターを入れて溶かし、火を止めて粗熱を取る。ポピーシードとすりおろしたレモンの皮を加えて混ぜる。
別のボールに小麦粉とベーキングパウダーをふるいあわせる。卵液と小鍋の溶かしバター、塩ひとつまみを加えてさっくりと混ぜ合わせる。
生地をケーキ型に入れてオーブンで約40分ほど、中まで火が通るように焼く。粗熱が取れたら型から取り出して冷ます。
レモンシュガーグレーズの材料を混ぜ合わせ、ケーキの上にかけて出来上がり。