・・・ ブルーチーズとマッシュルームの焼きニョッキ・・・
ニョッキ。言わずと知れたイタリアの芋団子パスタですが、”ニョッキ” というのは複数形で、単数形だと ”ニョッコ” というらしいです。
ニョッコが集まってニョッキ。なんとも愛らしいネーミングに、ニョッコの形状のイモ虫感もずいぶんと緩和されます。
そして、見かけにそぐわないポテト系ネームの代表格といえば、小野妹子(オノノイモコ、飛鳥時代生まれ、職業:遣隋使)ですが、この人、聖徳太子からヤバイ手紙を持たされて隋までパシらされた人の好いイケメン(当時の遣隋使は”美男子”が条件だったらしいです)というだけでなく、”箸でごはんを食べること” ”お花を生けること” などの文化も日本にもたらしてくださった方なんですね。素晴らしいです。
妹子がいなかった欧米には、もちろんお箸文化はありません。ゆえに、デフォルトの状態では欧米人はお箸が使えないということになります。なので同居の彼にも私の祖国の文化を押し付けることなく(てか、ご飯食べてる時に ”箸の使い方教えて” とか言われたら面倒くさいし)日本食を作った時にも親切心でフォークを出していたのですが、ある日少々キレ気味に「自分も箸がいい」と言ってきました。
『箸も正しく使えない奴は我が家の門をくぐるべからず!』と、幼少時に連日のスパルタ特訓で箸の持ち方を習得した私にしてみれば、魚を捕まえるモリみたいなやつ(← フォーク)で毎日ごはん食べている輩が、ちょっとそのセグウェイ乗らせて♡みたいな感覚で箸の使い方をすぐにマスターできると思うなよ . . . と、片腹痛かったのですが、どうしても箸を使わせろとしつこいので仕方なく渡しました。案の定、上手くは扱えず苦戦するイギリス人。フォーク的な感じで箸を食べ物に突き刺して食べようとするのは、狩猟民族だった頃の名残でしょうか。
1から教えるのも面倒なので、”正しい箸の使い方”の動画をテーブルにセットしてあげて、鼻で笑いながらその練習の様子を見ていたときでした . . .
”あれ?私の箸の持ち方違くね?!?!”
はい、今になって気がつきました。自分の箸の持ち方が間違っているということに。
「箸の持ち方が違う!育ちを疑われるぞ!」と手を叩かれながらご指導賜った私のあの日々はなんだったのでしょうか、お父様。
箸に悪戦苦闘する彼にそれはそれは高飛車な態度で接していた私は、今更自分の箸の持ち方が間違っていたとは言えず、「私の持ち方は現代風アレンジのやつだから。違う流派の。」と偽ってしまったこと、この場を借りて小野妹子に謝ります。
ということで、ブルーチーズとマッシュルームの焼きニョッキ。焼いた表面のカリカリ感が、退屈になりがちなニョッキの食感のいいアクセントになっています。
こちら、フォークでどうぞ。
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— ブルーチーズとマッシュルームの焼きニョッキ(2〜3人分)—
ほうれん草 100g
玉ねぎ 1/3個
にんにく 1片
マッシュルーム 120g
バター 大さじ2
小麦粉 小さじ2
生クリーム 100ml
タイム 3茎
塩 少々
黒胡椒 少々
ブルーチーズ 60g
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- ニョッキの材料 -
じゃがいも 300g
強力粉 60g
卵黄 1個分
塩 ひとつまみ
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- ニョッキの作り方 -
じゃがいもは皮つきのまま、竹くしがスッと刺さるぐらいの柔らかさになるように蒸し、皮を剥く。
じゃがいもが温かいうちに裏ごしをし、台の上に乗せて小麦粉と塩を合わせてまとめる。生地の真ん中をくぼませて卵黄を加え、すべてが均等に合わさった生地になるように軽くこねる。
台に打ち粉をし、転がしながら直径2cmぐらいの細長い棒状にする。3cm幅にカットし、一つずつ丸めて、フォークの背で軽く押して縞模様をつける。
たっぷりの沸騰したお湯に1%の塩を加え、ニョッキを2~3分茹でる(火は中火)。ザルにあげて水気を切っておく。
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オーブンは200度に熱しておく。
ほうれん草は塩を少々加えたお湯で茹でて水気をよく絞り、3cmぐらいの長さに切る。
玉ねぎとにんにくはみじん切りにし、マッシュルームはスライスする。
フライパンにバターを熱して玉ねぎとにんにくを入れ、玉ねぎが透明になるまで中火で炒めて、お皿にあけておく。
マッシュルームをフライパンに入れてきつね色になるように炒める。
炒めた玉ねぎとにんにくをフライパンに戻し、小麦粉小さじ2をふりかけて2分ほど炒める。生クリームとタイムの葉を加えて全体を混ぜあわせ、塩と黒胡椒で味を整える。ニョッキをフライパンに加えてソースを絡める。
耐熱皿にニョッキとソースを入れ、上に砕いたブルーチーズを乗せてオーブンに入れる。約20分、表面がきつね色になるように焼き上げて出来上がり。
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