・・・ プラムとアップルのクランブル・・・ クランブル。果物や野菜などの上に小麦粉やオートミールにバターを練りこんでボロボロにしたおがくずみたいな生地をのせて焼いたイギリス発祥のお料理。ザ・地味(シンプルで美味しいので好きですけどね)。 おそらくアップルのクランブルが一番ポピュラーかと思うのですが、全体がラクダ色でテンションが上がりにくいので、今回はプラムとアップルにして色味を追加。 ラクダ色ではないクランブルが無事に焼きあがり、さてアイスを乗せて写真撮って食べよー♡ とウキウキしていたその矢先、 「ハァ??クランブルにアイスのトッピングなんてありえないんデスケドー。」という声が背後から聞こえてきました。出端をくじかれイラつきを隠せずに振り返ると、そこに佇むドヤ顔の彼。カスタードソースをかけて食べるのが英国の伝統、と一歩も引かないアングロ・サクソン。 私:「 別によくない?私はアイスで食べたいし、アイスの方が写真のビジュアル可愛いし。」 彼:「 NOー!”クランブルにはカスタードソース” とヴィクトリア女王の時代から決まってマース。」 私:「. . . ほっといて。」 彼:「キミはお寿司にケチャップをつけて食べようとしている外国人を放っておけマスカ?クランブルにアイスを乗せるということはそういうことデス。」 私:「 . . . 。」 なんとなく説得されて、渋々カスタードソースを作る私。はい、ラクダ色のソース完成。 「そう、コレコレ♡おばあちゃんもよく作ってくれたなぁー。」と言いながら、カスタードソースをたっぷりかけたクランブルを懐かしそうに頬張る彼。 クランブルを食べ進めていくうちに “あれ?でも今までカフェやレストランで食べたクランブルってアイス乗せじゃなかった?” と、海馬が刺激されていく私。 満腹になったところでクランブルの成り立ちを調べてみると、トッピングは、”アイス” ”クリーム” “カスタードソース” どれでも全然いいらしく、しかもクランブルの発祥は第二次世界大戦時のことで、戦時中でパイ生地が不足していたことから生まれた料理とのこと。 ”ヴィクトリア女王の時代から” って . . . とんだガセだな、オイ。つーか、英国版 ”目玉焼きには醤油派?ソース派?” レベルの主張に、よくもまぁ180年前のヴィクトリア朝まで持ちだしてこれたもんだな。 そんなこんなで、プラムとアップルのクランブル。プラムの酸味がクランブルにちょうど良く、赤色ポリフェノールでアンチエイジング。 出来たて熱々のクランブルに冷たいアイスクリームを添えるのでも、あたたかいカスタードソースをかけるのでも、どちらでもお好みでどうぞ。
Atole & Buñuelos
・・・ アトレとブニュエロス・・・ パンクな彼氏の家に引っ越しをし、やっとの思いで赤と黒の壁をブルーグレーと白に変更した私 (わけがわからない方はこちらをご参照ください) 。次なるミッションはドクロ駆除です。 想像に難くないと思いますが、パンクな彼の家にはいたるところにドクログッズが置いてあります。大きなドクロから小さなドクロまで、各種取り揃えてございます。 慣れてくるとそのすこぶる大きく黒目がちな瞳も可愛いと思えますし (黒目じゃなくて穴ですが。)、むき出しで整った歯並びもチャーミングだと思えるようになります。
Bulgarian Banitsa
・・・ バニツァ・・・ ヨークシャーに引っ越しして、ここで一番仲良くなったブルガリア人のKちゃん。生粋のゴスです。 ヨークシャーはロンドンとは違い、この土地で生まれ育った人がほとんどを占めており地元感がすごいのでKちゃんのようなタイプは異端に分類されるんですが、おそらくその辺が私と通じ合った所以でしょう、出会ってすぐに仲良くなりました。 はじめて合った日に「あ、メイク可愛いー♡」とゴスにメイクを褒められてかなり複雑な気持ちにはなりましたが、ゴスのくせにとってもポジティブでよく笑う可愛いKちゃんは、ロンドンの友達と離れて淋しかった私の心をとても癒してくれました。
Curry Cauliflower Rice
・・・ カリフラワーライスのカレーピラフ・・・ 『不味いものでもカレー味にすればなんとかなるの法則』をフル活用したカリフラワーライスのカレーピラフ。 最近、カリフラワーを細かく砕いてお米に見立てた”カリフラワーライス” なるものが巷で流行っているようです。 ”白い粒々” という点で、薄目で見ると見た目はお米。低糖質、低カロリー、豊富なビタミンC と食物繊維 etc. ということで、たしかにダイエットにはもってこい。 ただ、いくらお米に見えようが味はもちろんカリフラワー100%。いや、むしろこの “お米っぽい” というビジュアルの先入観のせいで、口に入れた瞬間にそのカリフラワー風味がより一層輪をかけて広がっていくような気がします。コーヒーだと思って飲んだらうっかり麺つゆだった時の戸惑い、といった感じでしょうか。
Thyme & Garlic Grissini
・・・ タイムとガーリックのグリッシーニ・・・ 念願の強力粉が手に入ったのですが、前回、ピザの神様に見捨てられてまんまと東欧の薄力粉を掴まされ、熱望のもちもちピザから謎のチェコのケーキに変更せざるを得なかった私は、強力粉を入手したからといってそう簡単に喜色満面でピザを作るような安い女ではありません。たやすくピザ生地を捏ねると思ったら大間違いです。 . . . いやぁでも、ピザ生地じゃなければ捏ねますけどね。捏ねたいですからね。ええ、めちゃめちゃ捏ねくり回したいですからね。
Fettuccine with Beetroot Sauce
・・・ ビーツソースの赤い冷製パスタ・・・ 突然ですが、みなさんは部屋の壁が赤い色の家に住んだことはありますか? うちのリビングの壁は最近まで狂気の赤でした。なぜなら私は未だにしっかりとパンクGジャンの呪いにかかっているからです。 *呪いについての経緯は長くなるので、興味のある方はこちらをご参照ください → パンクGジャンの呪い はじめて彼の家を訪れたとき、リビングのその赤い壁の色を見て「天安門広場かよ… 」と思ったのを覚えています。
Chocolate Guinness Cake
・・・ チョコレートギネスケーキ・・・ 外出規制中に行ってはいけない禁断の行為、それはホールケーキを作ること。しかもナイジェラ・ローソンのレシピで。 ナイジェラ・ローソンといえば、イギリスを代表するセクシー美人セレブ料理研究家。大物政治家の娘でオックスフォード大卒の才女、端正な美貌おまけに巨乳。 私がイギリスで暮らしはじめた90年代後半はまさにナイジェラ大活躍の時だったのですが、その当時テレビで流れていたナイジェラ・ローソンの料理番組を見て度肝を抜かれました。
Hash Browns with Caramelised Onion & Feta
・・・ ハッシュブラウン・・・ いたるところで新型コロナの感染が拡大し不安な日々が続きますが、みなさま無事で元気にお過ごしでしょうか。たった数ヶ月で世界がこんなに変わってしまうなんて。 イギリスも全土ロックダウンになってから、かれこれ1ヶ月半が経ちました。いやー、もうひたすら家にいます。行動の厳しい制限や先が見えない状況はたしかにストレスですが、一周回って、最近は『自由在不自由(自由は不自由の中にあり)by 福沢諭吉』と思ったりもするようになってきました。さすが、一万円札の言うことは奥が深いですね。
Baked Gnocchi with Mushroom and Blue Cheese Sauce
・・・ ブルーチーズとマッシュルームの焼きニョッキ・・・ ニョッキ。言わずと知れたイタリアの芋団子パスタですが、”ニョッキ” というのは複数形で、単数形だと ”ニョッコ” というらしいです。ニョッコが集まってニョッキ。なんとも愛らしいネーミングに、ニョッコの形状のイモ虫感もずいぶんと緩和されます。
Butterfly Cakes
・・・ バタフライ・ケーキ・・・ 英国菓子の定番 ”バタフライ・ケーキ”。 はじめてその名を聞いたときには心踊りました。きっと蝶々が空に舞う様な、さぞかし可憐なケーキなのだろうと。 ウキウキしながら待つ私の目の前に現れたバタフライ・ケーキ。 ええ、2度見しましたとも。 『これはただ単に、ごく普通のカップケーキの上をくり抜いた切れ端を適当にのせたものではないのか?』『なぜわざわざ名前変更?なぜわざわざ切れ端をのせるのだろう?てか、普通のカップケーキのままのほうが可愛いくね?』. . . 数々の疑念が頭の中を駆け巡りました。
Shiso and Sun Dried Tomato Spaghetti
・・・ 大葉とサンドライトマトのパスタ・・・ うっかりヨークシャーに引越しをして、フラフラと遊びに出歩く時間が極端に減ってしまった私はある日思い立ちました『そうだ裏庭でシソを育ててみよう』。 せっかく空気の綺麗なところに来たのだし、土もそこらへんにあるし、駅まで遠いし(←関係ない)、自分で育てたハーブでお料理を作るとか、なんだかいい女風♡ イギリスではなかなかシソが手に入らないので、シソ好きの私はロンドンのフラットでも栽培を何度か試みたことがあるのですが、キッチンに置いた小型プランターの中ではやはり上手くは育たず、悔しい思いを抱えながら代わりにバジルを噛み締めておりました。
Yorkshire Puddings
・・・ ヨークシャー・プディング・・・ 少し前にイギリス北部のヨークシャー地方に引っ越してみました。イギリスで暮らしはじめてからずっと、かれこれ20年以上ロンドンに住んでいたし、そこでの生活が気に入っていたので、他の場所に住むなんて考えたことすらなかったのですが、昨年色々なことがあって日本の家族が不安定な状況が続いており、そうなるともしも何かあったときに、ロンドンで猫と一緒に一人暮らしをしている私は四面楚歌。 ”猫と荷物どうするんだ問題” で立ち行かなくなるので、ヨークシャーの彼氏の家にとりあえずお引越しした次第です。悠遊自的おひとり様生活、まさかの終焉。
Raspberry Eton Mess
・・・ ラズベリーのイートン・メス・・・ イギリスの初夏のデザートの代名詞、イートン・メス。 ベリー類(いちごが定番です)、生クリーム、砕いたメレンゲをさっくりと混ぜ合わせたお手軽デザート。 ”イートン・メス” というこの名前、”イートン [Eton]” は、あのイギリスの超名門パブリックスクール、頭も家柄も良くなきゃ入れないエリート校、授業料年間500万円って一体どんな授業なんですか?黒板のチョークは純金かなんかでできてるんですか?ってことはチョークの粉は金粉ですか?サイババですか?の ”イートン校”(← すみません、私的偏見に満ち溢れすぎた長い枕詞で脱線しました)。
Lemon Tart
・・・ レモンタルト・・・ すごく長い間更新せずにそのままだったブログですが、また再開しようと思い立ちました。 実は前回の記事の少し後に、とても大切な人を突然亡くしてしまい、それ以来ずっと心に大きな穴があいていて、何をしていても現実感があまりなく、今まで普通にできていたことができなくなったりしたので、お料理をしたり文章を書いたりすることがしばらくむずかしてくて離れていました。
Chilli Hot Dogs
・・・ チリホットドッグ・・・ 先日、ウェス・アンダーソン監督の新作『 Isle of Dogs (邦題:犬ヶ島) 』の試写会に行ってきたのですが、この映画すごくよかったです。 監督の独特の色彩感覚や世界観、シュールなユーモアが散りばめられたプロットは、もちろん安定の素晴らしさなのですが、今回はなんといっても全編ストップモーションアニメーションで作られたそのビジュアルのすごさに頭がクラクラしました。
Steak & Guinness Pie
・・・ ギネスパイ・・・ 今日のメニューは、アイルランドのパブ料理の定番、ギネスビールで牛肉を煮込んだシチューで作ったギネスパイです。 さて、パイといえばおっぱいですが、おっぱいって本当に素晴らしいですよね。生まれたての人間に必要な完全食を創出できる超高機能パーツにして曲線美と触感の良さも兼ね備える才色兼備さ。そして時々考えます、こんなに素敵なものを持っている『女性』に、私はなぜ恋愛感情を抱くことができないのだろうかと。 私の住む町は、ロンドンの下町のほうで多種多様な人種が入り混じっていることと、アートやデザインの方面で有名な大学のお膝元ということが相まってリベラル派の住人が多いため、多様性に関してはものすごく寛容です。
Cheese Scones
・・・ チーズスコーン・・・ 先日、友人とスコーンの話題になり、 「でもさぁ、スコーンってほぼ小麦粉こねただけの食べ物ののくせにアフタヌーンティーに欠かせないエレガント系アイテムみたいになってるけどあれってどうなの?つーか、ボソボソしていて喉に詰まるから紅茶がすすんでいいかもね w」とスコーンを軽くディスったところ、イギリス人の友達に、 「オマエの国の祝い事のときの食べ物、米潰してこねただけのやつだけど(←お餅のことらしい)あれってどうなの?つーか、実際に喉に詰まって毎年死人でてるよね」と言われました。 正論だと思いました。
White Cake
・・・ 白いケーキ・・・ パーティーや飲み会などがあると、しこたまお酒を飲んで支離滅裂にゲラゲラ笑っているので、ちまたで『酒豪のクレイジージャパニーズ』呼ばわりされている私ですが、実のところ、お酒よりもお茶のほうが好きですし、普段一人でいる時にはお酒を飲んだりいたしません。 なのでそれほどアルコールに強いわけでもなく、飲みすぎると気分も悪くなったりするのですが、陰で涙を流しながら吐いてでもまた飲むという並々ならぬ努力と精神力で飲み会に挑んでおります。